日記(2019/8/31)

悩んでいた問題が片付いたので、
近場の映画館で「天気の子」を見てきた。

tenkinoko.com

  • 前半の芝居は、長井龍雪監督っぽいなあと思った。新海誠監督がこれだけマジョリティになったのは、長井テイストをうまく取り込めたからだよなあ……という意見を私は持っている。劇場で見たCMで長井作品が流れてたから、余計そう思った
  • 新海監督作品って、近年のほうがアニメっぽくなってきているなあという印象。「ああこれオタクが作ってる」という親しみが湧くというか。作中で目立っていた「プリキュア」よりも、後ろにいる「このすば」のほうが出したかったんじゃないのかなあ? と邪推してみたり
  • ファンサービスが多かった。こういうのって背中とか声のみの登場になるのは前作主人公になると思うのだが、瀧くんは思いっきり出てきていて、代わりにその役割を担うのがてっしー。私がこれまでしてきた「君の名は。トークを振り返っても、てっしーが最も好感度高いので、彼は実質主人公なのでは?
  • 天気っていまいちピンときてなかったが、新海監督的には宇宙も星も天気も空の延長上にあるので、同カテゴリって感じなのかな。まあ確かに宇宙も星も天気も流体力学的な共通点を持っていて、解析的アプローチに必要なスキルセットも同じなので、同カテゴリと言えるな
  • 新海作品によく見るモチーフである「妻を亡くした夫」が今回も……
  • 俺も山手線爆走してえなあと思った。「青春は走る」的な、そういうモチーフは好きですね。わざわざ走れと叫ばすあたり、よく分かってるなあという感じ
  • 今調べたが池袋─代々木だと7キロあるんだな。いけないこともない
  • ていうか田端から逃げようとして、なんで池袋方面に行くんだろ? 昔から逃げるときは北って決まってるんじゃあないのか
  • 前半の新宿パートはカッティングの小気味良さがよかった。描写していること自体は、正直、オタクが描くような東京の汚さって感じで、あまりリアルさがなかったな。しかし「バニラ」とか「マンボー」の曲を聴いてると、どうでもよくなってくる不思議
  • 拳銃が出てくるくだりは正直よくわからなかった…。セカイ系的な世界・世間との対立は、陽菜を選んだことで表現できていると思うので、わざわざ拳銃は必要ないような……。また別軸の二項対立を表す装置?
  • 新海作品の新宿って「多くの人が交差する雑多な街」以上の描き方はできないんじゃないかなあ。ようするに行き来する人の流れは取り扱えても、それぞれの構成要素にフィーチャーするのは難しいのでは。拳銃を出してしまうと、また違う側面の新宿が見えて、作品内で処理するのが難しいのでは……
  • 作画的にはもう少し欲しかったなあというのが正直なところ
  • いやー面白かった。率直な感想としては庵野秀明的というか。数々のアニメ作品へのリスペクトやオマージュ元を隠さないスタイルと、確立した独自の作風が見られてよかった